日本農村医学会雑誌
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秋田県における肝吸虫 (Clonorchis sinensis) の感染状況
(2) 南秋田郡における調査
高野 喜正後藤 寿朗中村 孝上林 孝二石井 惟弘小宮 義孝鈴木 了司熊田 三由
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1963 年 11 巻 1 号 p. 1-3

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抄録

1961年12月より1962年の冬期間に, 秋田県南秋田郡に属する八郎潟沿岸地域において肝吸虫の流行状況を調査し, 次のごとき結果を得た。
。1) 南秋田郡に属する八郎潟南部地方の10小学校の低学年児童1, 259名の検便では, 最高4.8%の感染率であり, 前回検査した山本郡の小学校の感染率に比して低かった。
2) 八郎潟産の各種魚類の検査では, タナゴ8尾中3尾に肝吸虫metacercariaが認められたに過ぎなかった。
3) 以上のことから, 秋田県における肝吸虫症は, 浅内沼を中心としてその周辺に濃厚に侵淫していることが確認された。

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