日本農村医学会雑誌
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茨城県平地農村地帯における婦人農業従業者の健康管理
田谷 利光田村 憲治武子 衛田中 厚子松崎 たか子川俣 みつほ井坂 利枝子
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1985 年 34 巻 2 号 p. 134-140

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抄録

われわれは, 平地農村地帯である茨城県牛久町0地区, 岩井市N地区の婦人農業従事者を対象に, 健康対策事業を3か年にわたり実施した.総受診者は3年間で, 0地区290人, N地区340人であるが, 3年間継続受診した者は0地区77人, N地区91人と全体の8割であった。受診者の平均年令は0地区48.6年N地区44.3年であった。
営農類型は両地区とも野菜と水稲, その他の複合経営であり, 5月が最も忙しく, ついで10月, 9月, 4月の順であった。
受診者の主要疾病は高血圧症, 貧血症, 腰痛であり, 初年度と最終年度における総合判定成績の推移をみると, 好転群は28%であり, 増悪群は13%であった。
健康診断後の対応について調査した結果, 要注意者で注意をよく守った者は45%と守らなかった人の方が多かった。生活面では食事に気をつけたり, 運動を始めた者炉多かったが, 両地区とも農休日を新らたに設痒した。
健診脱落老について調査した結果, 急用のため受診できなかった者が多く, 一応健康に対して最も関心があると思われる。しかし, 要治療者で未治療の者が11人 (6.5%) もいた。
そこで, 健康阻害要因の排除, 健康改善をはかった結果, 地区の人々炉相互援助のもとセルフサポートの精神で健康向上に成果をあげることができた。

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