抄録
微粉状農薬-スプラサイドFDの生体影響を研究するために, 暴露チャンバーを用いて, 動物に農薬粒子を暴露した. 用いた微粉剤の平均粒径は2.16μmである.
農薬粒子は暴露された動物の肺胞に多く存在し, 肺胞マクロファージや呼吸上皮細胞に取り込まれていた. 農薬粒子の吸入により特に肺胞上皮細胞の障害と肝細胞の空胞変性が顕著であった.
スプラサイドFD吸入により, 過酸化脂質の著しい生成が観察された. 血清GOT, LDH活性の上昇も著しく肝機能障害が観察された. その一方, コリンエステラーゼ活性の阻害は顕著ではなかった.