日本農村医学会雑誌
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腎移植患者の看護
拒絶反応発症時の看護を通して
小松 裕美須賀 良子
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1998 年 46 巻 5 号 p. 846-849

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抄録

当院では, 末期慢性腎不全の治療として人工透析療法を主体としてきた。しかし, QOLの向上のため移植を希望する患者は増加傾向にある。腎移植後の最大の問題は拒絶反応であり, 術後3か月以内に起こる急性拒絶反応は約40%の出現率であるといわれている。
当院でも第一例目の生体腎移植が施行された。今回の症例においても術後12日目より拒絶反応がみられた。症状の出現による身体的苦痛に加え, 移植腎喪失への不安が募り精神的に不安定になっていった。そのため, 患者の言葉に傾聴し共感的態度で接するとともに, 拒絶反応について繰り返し説明し正しく理解させることで, 精神的不安の緩和につながった。
患者自身が自己の感情を表現でき, 環境の変化に適応できるよう指導し, サポートしていく必要件を痛感した。

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