リハビリテーション医学
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健康人の大腿直筋とハムストリングスの伸張性について
岡部 とし子渡辺 英夫天野 敏夫
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1982 年 19 巻 2 号 p. 93-96

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抄録
1.新生児より80歳未満までの健康人,男性595名,女性621名の計1,216名について,大腿直筋とハムストリングスの伸張度を測定した.
2.大腿直筋の伸張度について,(1)年齢的推移については男性は小児の方がよく加齢とともに減少する傾向にあったが,女性は15~20歳未満が最低となっており加齢による影響があまりみられなかった.(2)性差については8歳で5%以下の危険率で,7歳および9歳より70歳代までですべて1%以下の危険率で有意差をもって女性の方がよかった.(3)左右差については男女とも全年齢を通じて有意差はみられなかった.
3.ハムストリングスの伸張度について,(1)年齢的推移については男女とも1歳が最高で男性は以後加齢とともに徐々に減少していた.女性は1歳のピーク後,2歳,3歳,4歳と減少するが,4歳以後60歳代まではほとんど変化なく70歳代で急に再び減少していた.(2)性差については3歳,5歳で5%以下の危険率で,4歳および6歳より60歳代まですべて1%以下の危険率で有意差をもって女性の方がよかった.(3)左右差については男女とも全年齢を通じて有意差はみられなかった.
4.大腿直筋の伸張度とハムストリングスの伸張度との間には,相関関係はみられなかった.
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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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