リハビリテーション医学
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慢性期頸損患者にみられる排便後の体調不良の検討
大隈 秀信緒方 甫浅山 滉今村 義典森田 秀明吉村 理橋元 隆
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キーワード: 頸髄損傷, 排便
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1985 年 22 巻 4 号 p. 203-207

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抄録
慢性期頸損患者の排便後の体調不良について検討を行い,次の結果をえた.
1) 対象となった17名中14名に脱力・倦怠感・めまいなどを内容とする体調不良の訴えがみられた.
2) 頸損患者の排便中の観察で,交感神経の過度の緊張の出現を示唆する所見をえた.
3) 排便後の起立負荷試験では,血圧低下に対応した心拍数の増加が減弱する傾向にあった.また指尖容積脈波の波高は,排便日でない日に比べ有意に低下していた.
以上より排便による交感神経の過度の緊張は,副交感神経優位に傾いた自律神経失調をひき起こし,それによって生じた循環機能や消化管機能の変調が排便後の体調不良の原因となるのではないかと考えた.
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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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