抄録
福山型先天性筋ジストロフィー症(広義)67例の運動障害の経過について検討し,以下の結果を得た.
(1) 本症の運動障害の評価法である「運動機能レベル」に“レベル0:首の坐り不能”を追加した.
(2) 運動機能の発達速度と最高到達レベルから歩行可能群,中間群,運動発達不良群(重症群)にグループ分けできた.
(3) 最高到達レベルが高い程,到達する時期は遅い.
(4) 歩行可能性などに男女差が認められ,本症の表現型の発現に際し,性差の関与が考えられる.
(5) 先に行った最高到達レベル予測の試みを一部修正補足した。