抄録
Type別筋線維における単一筋線維筋電図(以下,SFEMGと略す)学的特徴を知る目的で,ニワトリの浅胸筋と腓腹筋を用いてSFEMGを施行し,筋組織化学所見(ATPase染色)との比較検討を行った.浅胸筋は純粋なType II線維であり,SFEMG上amplitudeが1.26~3.88mV,durationが1.10~2.05msecであった.一方腓腹筋はTryp I・IIを含む混合筋であり,SFEMG上浅胸筋にないamplitudeが1.07~2.4mVと小さく,durationが2.06~2.97msecと長い波形が存在した.この結果,SFEMGではType I線維はamplitudeが小さくdurationが長く,Type II線維はamplitudeが大きくdurationが短いことが推測され,SFEMG学的筋線雑Type分類の可能性が示唆された.