リハビリテーション医学
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失語症非訓練例の回復について
前島 伸一郎種村 純重野 幸次長谷川 恒雄馬場 尊今津 有美子梶原 敏夫土肥 信之
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キーワード: 失語症, 言語訓練, 経過
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1992 年 29 巻 2 号 p. 123-130

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抄録
言語訓練をうけることができなかった脳血管障害による失語症患者30例を対象に,失語症状の自然経過を経時的に評価し,年齢,性,原因疾患,失語症タイプ等との関係を検討した,言語理解は,健忘型で3ヵ月まで改善を認め,他のタイプでは6ヵ月以降にも改善を認めた.発話は,健忘型で3ヵ月まで,表出型,受容型では6ヵ月以降にも改善を認めた.表出-受容型は初期よりほとんど改善を認めなかった.書字は表出-受容型を除くすべてのタイプで3~6ヵ月以降にも改善を認めたが,表出-受容型では初期より改善を認めなかった.重度の失語症では,非訓練例は訓練例のような改善を認めないため,体系的な言語訓練が必要と思われた.
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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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