リハビリテーション医学
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脳卒中片麻痺における足関節機能再建術の評価
歩行分析による検討を中心に
小野崎 晃
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1993 年 30 巻 2 号 p. 127-137

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抄録

脳卒中片麻痺25例における足関節機能再建術の効果を装具効果との対比において,加速度計および床反力連続測定装置を用い経時的に定量的解析を行った.手術適応範囲を下肢装具による歩行パターンの矯正の程度より4つに区分したところ,各区分とも再建術の効果がみられた.特に区分3のプラスチック装具歩行レベルでは,歩行スピード,歩調,歩幅,対称性,安定性において装具歩行と近似した値を示し,さらに床反力データから得られた患側の移行性,支持性,接地性に関する指標は経時的にも安定した改善を認めた.本再建術の効果は装具の効果を大きく上回るものではないが,ほぼ全例が術前の予測値に到達し,その有効性が客観的に明らかになった.

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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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