リハビリテーション医学
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固定による関節拘縮と周囲組織への影響
動物実験の力学的解析
赤居 正美白崎 芳夫立石 哲也安岡 正蔵
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1995 年 32 巻 5 号 p. 316-322

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抄録

固定による関節拘縮を調べる目的で,ラットに作製した膝関節の拘縮を(1)軟部組織,(2)骨組織に分け,粘弾性測定により力学的に解析した.膝関節を一塊として多周波数の振動荷重を加える力学試験により,膝屈曲角度の測定と併せ,軟部組織の評価を行った.その後,標本を大腿・下腿に分け,大腿骨内顆部と骨頭部の軟骨面,脛骨近位の軟骨下骨での押し込み試験を行った.大腿骨顆部の骨塩定量も併用した.従来の拘縮程度の定性的把握に対し,新たな定量的評価の一助になりうる.また拘縮が2~3週といった比較的短期間にて骨・軟骨や骨塩密度に変化を起こし,耐荷重能力の低下を生じた.力学的ストレスの減少が各構成細胞のremodelingに早期から影響する.

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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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