リハビリテーション医学
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線条体損傷者の注意障害について
迷路課題解決時の眼球運動から
土田 昌一武田 祐子
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1996 年 33 巻 2 号 p. 108-114

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抄録

WISC-Rの迷路課題の解決時の眼球運動をもとに線条体損傷者の注意障害の評価を行った.対象は,全例右利きの慢性期の単一病巣の患者である.左線条体損傷者群27例,右線条体損傷者群28例であり,罹病期間・年齢に有意差はなかった.課題解決パターンを4型に分類した.右側損傷者群には解決動作を中断してその直前しか確認しない解決パターンが認められた.左側損傷者群には,解決中落ち着きなく注意が分散する解決パターンが少数ではあるが認められた.線条体損傷の注意障害として,右側障害は動きの滞ったタイプ(frozen inattention),左側障害では落ち着きのないタイプ(restless inattention)という特徴的な所見を認めた.

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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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