リハビリテーション医学
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磁気刺激による脳卒中患者の交感神経皮膚反応(SSR)の検討
猪飼 哲夫大熊 るり鄭 健錫木村 知行高田 耕太郎米本 恭三
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1997 年 34 巻 10 号 p. 686-692

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抄録

脳卒中片麻痺患者52名を対象として,第7頸椎上で円形コイルを用いて磁気刺激を行い,手掌・手背からの導出法で交感神経皮膚反応(SSR)を記録した.麻痺側,健側の潜時,振幅を求め種々の検討を行った.52名中46名からSSRが導出され,habituationの程度は小さかった.麻痺側の振幅は健側に比べ有意に小さかった.高齢患者では健側の振幅は小さく,また発症後経過期間が短い患者では振幅は小さかった.病巣の大きい患者では,潜時は長く振幅は小さかった.磁気刺激はSSRの簡便な測定法であり,有用性が高いと考える.SSRの反応経路は明らかではないが,脳幹網様体に対して大脳皮質からの影響が示唆された.

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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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