抄録
本研究の目的は,脳卒中患者におけるanaerobic threshold (AT)を検出するための至適な運動負荷様式を検討することである.運動負荷様式としては自転車エルゴメータ・トレッドミル・健側下肢運動を採用し,各々におけるATの検出を2回行い,各運動負荷様式でのATの検出率と再現性を検討した.再現性はIntraclass Correlation Coefficient (ICC)で検定した.エルゴメータ,トレッドミル,健側下肢運動でのATの検出は各々26例,13例,17例で実施され,各々のICCは0.80,0.87,0.77であり,再現性はすべての運動負荷様式で良好であった.ATの検出率はエルゴメータで最も高く92%であり,トレッドミルでは77%,健側下肢運動では47%であった.ATの再現性と検出率との結果から,本研究で採用した運動負荷様式の中では,自転車エルゴメータが脳卒中患者のATの検出のための運動負荷様式として最適であることが明らかとなった.