リハビリテーション医学
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脊髄損傷患者の社会的不利に影響を与える要因
Craig Handicap Assessment and Reporting Technique (CHART) による予備的検討
青柳 紀代高橋 秀寿原 行弘柴崎 啓一里宇 明元千野 直一
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1999 年 36 巻 9 号 p. 599-606

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抄録
WHOが推奨するCraig Handicap Assessment and Reporting Technique (CHART) を用いて脊髄損傷患者を評価し, その社会的不利に影響を与える因子を検討した.対象は外来通院中の完全脊髄損傷患者73名 (頸損30名, 胸腰損43名) で, CHART得点と, ASIA Motor score, FIM運動項目の排尿, 排便コントロール, 褥瘡の既往との関係を調べた.結果はCHARTの得点はASIA Motor scoreとは相関しなかった (p=0.13) が, 排尿, 排便が自立しているほど高得点であった (排尿自立群414.1点, 非自立群337.9点 : p<0.001).以上より社会的不利は機能障害よりも, 能力低下により大きく影響を受けている可能性が示唆された.また, 褥瘡の既往は, 既往なし群の方がより高得点であった (既往あり群387.4点, 既往なし群434.0点 : p<0.05).
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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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