リハビリテーション医学
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非荷重ならびに再荷重に伴う骨応答と等尺性抵抗運動の影響
山内 秀樹河井 宏之益子 詔次木村 真規宮野 佐年米本 恭三
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2003 年 40 巻 1 号 p. 41-48

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抄録

若年ラットを用い,非荷重と再荷重に伴う骨応答と等尺性抵抗運動の影響を検討した.3週間の非荷重によりDXA法によって評価した大腿骨全体の骨密度は6%の低下(p<0.05)を示した.長軸方向に7等分した領域別に骨密度を比較した結果,すべての領域で非荷重による骨密度の低下を認めたが,その低下率は骨幹部より骨端部や骨幹端部で顕著であった.低下した骨密度は3週間の再荷重により回復傾向を認めたが,骨全体で対照群に比べ3.4%低値(p<0.05)であった.再荷重後の骨密度の低値は骨幹部と遠位骨幹端及び骨端部において観察された.骨1/2部位における最大破断荷重,エネルギー,変形量に非荷重や再荷重の影響はみられなかった.非荷重ならびに再荷重期間に負荷した等尺性抵抗運動はいずれの評価項目においても,骨量低下やその回復に対する有用性は確認されなかった.運動負荷が副腎重量を増加させた結果から,グルココルチコイドによる骨量低下作用が一部関係している可能性が考えられた.以上の成績は,非荷重による骨密度低下は部位特異的であること,非荷重によって低下した骨密度の再荷重後の完全な回復には長期を要することを示唆する.効果的な対処法の確立には,今後も更なる検討が必要である.

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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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