移動手段に車椅子を使用しているDuchenne型筋ジストロフィー(DMD)患者52名を対象として,車椅子の種類別(手動,簡易電動,電動,介助型)に脊柱変形,上肢筋力,ADL,呼吸機能,人工呼吸器の有無および装着時間,座位バランスを比較した.電動および介助型使用例は36 名,そのうち脊柱変形なしは2 名,脊柱変形ありは34 名であった.使用している車椅子の種類により,上肢筋力,ADL,呼吸機能,座位バランスには,それぞれ有意な差を認めた(p <0.001).人工呼吸器使用例は全例,電動または介助型を使用しており,呼吸器装着時間には,有意差を認めた(p <0.001).また,それぞれの機能における各車椅子使用群ごとの中央値を求めたことで,臨床症状に基づく車椅子処方の目安が示された.