The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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早期公開論文
早期公開論文の8件中1~8を表示しています
  • ―多施設間での縦断的研究―
    木下 一雄, 樋口 謙次, 中山 恭秀, 大谷 卓也, 安保 雅博
    原稿種別: 原著
    論文ID: 19033
    発行日: 2020/08/11
    [早期公開] 公開日: 2020/08/11
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    目的:本研究の目的は,後方進入法による人工股関節全置換術(THA)を施行し,術後5カ月での股関節屈曲,外転,外旋位における靴下着脱動作(以下,股関節開排法)の獲得状況を調査し,術後5カ月で股関節開排法が可能となるためのリハビリテーション治療の目標値を明らかにすることである.

    方法:対象は本学附属4病院で後方進入法THAを施行した変形性股関節症101例104股とした.調査項目は年齢,Body Mass Index,股関節可動域,膝関節と足関節の可動域制限の有無,上肢長,術前および術後5カ月時の股関節開排法の可否とし,術後5カ月での股関節開排法の獲得に関与する因子を検討した.

    結果:股関節開排法の獲得に関与する因子として,術前の靴下着脱の可否,術前の股関節外旋可動域,退院時の股関節外転可動域が抽出され,その目標値は股関節外旋可動域27.5°,股関節外転可動域17.5°であった.

    結論:股関節開排法による靴下着脱動作を獲得するには,術前から股関節開排法による動作が可能であること,THAの周術期に股関節外旋可動域,股関節外転可動域が目標値に到達していることが必要である.

  • 藤本 侑大, 伊村 慶紀, 田中 太晶, 池田 聖児, 藤井 美希, 中 紀文
    原稿種別: 症例報告
    論文ID: 20002
    発行日: 2020/08/11
    [早期公開] 公開日: 2020/08/11
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    Wide resection of malignant bone and soft tissue tumors of the extremities may require resection of muscles, which correspondingly impairs limb movements. We describe a 67-year old man with a malignant soft tissue tumor of the right upper arm. Preoperatively, there was no impairment of right upper extremity function. The patient underwent wide resection of the tumor and triceps muscle. Postoperative rehabilitation included range of motion exercises, residual muscle strength exercises, and activities of daily living (ADL) exercises. One week postoperatively, the patient could independently perform the ADL exercises. Two weeks postoperatively, the patient scored 2 during manual muscle testing (MMT) for elbow extension, indicating a complete range of motion in a gravity-eliminated position. However, the patient could not raise the arm without bending it. Considering the needs of the patient, we prescribed an elbow extension brace to support the upper limb while being raised. With this brace, the patient was able to sustain elbow extension during upper limb elevation. Three months postoperatively, the patient's elbow joint extension remained MMT 2, grip strength was 28 kg, and the International Society of Limb Salvage and Musculoskeletal Tumor Society score was 76.7%.Although the triceps muscle was resected, there was no problem with the patient's ADL. However, the patient could not maintain elbow extension in an anti-gravity position while raising the upper limb. In such cases, prescribing an elbow brace may be useful.

  • 諸冨 伸夫
    原稿種別: 短報
    論文ID: 19034
    発行日: 2020/07/29
    [早期公開] 公開日: 2020/07/29
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    目的:首都圏デイケアにおける高齢心不全患者の心臓リハビリテーションの実態について調査し,課題点の抽出と改善に向けた施策の検討を行う.

    方法:首都圏のデイケア126施設を対象にアンケート調査を行った.調査項目は1.施設の属性,2.心不全患者に対する問題点とその解決方法,3.リハビリテーションサービス内容と急変時を含む施設におけるリスク管理,4.心不全患者が受け入れ困難な場合の理由,についての4分野14項目とした.

    結果:アンケート回収率は41%であった.デイケアにおいても高齢心不全患者の受け入れは困難であった.心臓リハビリテーションへの取り組みには,「地域における高齢心不全患者の増加」,「地域心臓リハビリテーションにおける心不全患者の対応困難」,「施設病院間における診療情報の不足」が課題として挙げられた.その施策として,高齢心不全患者のための心臓リハビリテーションの規範的ツールを作成すること,施設と病院間で相互に有用な情報を明示した共有ツールを作成することが必要であると考えられた.

    結論:首都圏のデイケアでは高齢心不全患者の受け入れには3つの課題があり,その施策として地域で共有できる規範ツールと情報共有ツールを作成することが必要である.

  • 瀧野 皓哉, 原 康貴, 作井 大介, 菊地 淳, 菰田 拓之, 肥田 朋子
    原稿種別: 原著
    論文ID: 19040
    発行日: 2020/07/29
    [早期公開] 公開日: 2020/07/29
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    目的:血管内治療(EVT)を受ける末梢動脈疾患(PAD)患者の身体機能の実態およびEVT術前の身体活動との関連について明らかにする.

    方法:対象はEVTを受けたPAD患者101例.身体機能は握力,歩行速度,等尺性膝伸展筋力体重比とした.国際標準化身体活動質問票を用いて1週間の身体活動より低活動(0 kcal/週:n=52),中程度活動(0 kcal以上500 kcal未満/週:n=22),高活動(500 kcal以上/週:n=27)の3群へ分類した.歩行障害質問票(WIQ)にて間欠性跛行症状を評価した.身体活動を従属変数,等尺性膝伸展筋力体重比0.4 kgf/kg未満,年齢,性別,WIQを独立変数とした多変量解析(累積ロジットモデル)を行った.

    結果:身体機能の実態は握力(kg;男性28.1,女性16.6),歩行速度(m/s;男性1.1,女性0.96),等尺性膝伸展筋力体重比(kgf/kg;男性0.42,女性0.28)であった.また,等尺性膝伸展筋力体重比0.4 kgf/kg未満の割合は56.4%であった.等尺性膝伸展筋力体重比0.4 kgf/kgは低活動と中程度活動(odds:0.99,p=0.98)群間において関連を認めなかったものの,低活動と高活動群間(odds:5.02,p=0.007)に関連する因子であった.

    結論:EVTを受けるPAD患者の身体機能は低下しており,下肢筋力低下はEVT術前の身体活動の関連因子であった.

  • ―回復期リハビリテーション病棟での機能改善と関連して―
    平田 淳也, 梅田 勝, 田中 恭子, 瑞慶覧 誠, 後藤 正樹, 井上 桂子, 西尾 俊嗣
    原稿種別: 原著
    論文ID: 19022
    発行日: 2020/07/15
    [早期公開] 公開日: 2020/07/15
    ジャーナル 認証あり 早期公開
    75歳以上の脳卒中患者への適切なリハビリテーション実施量に関して,不明な点が多い.回復期リハビリテーション病棟での実施量を検討するために,急性期病棟から回復期病棟に入棟した脳梗塞患者65名(74歳以下28名,75歳以上37名)を調査した.対象者の診療録から,入院日数,入院中のリハビリテーション実施総単位数,ADL能力(FIM総得点)を急性期および回復期で調査した.これらのデータから機能利得,機能獲得度,1日あたりの平均リハビリテーション実施単位数(平均単位数)を算出した.各項目と年齢の相関を算出し,有意な相関があった場合,74歳以下と75歳以上で比較した.機能利得と平均単位数は年齢による差はみられなかったが,機能獲得度は75歳以上が有意に低かった.75歳以上の脳梗塞患者では,平均単位数と退院時FIM総得点に正の相関がみられた.75歳以上の脳梗塞患者には,積極的なリハビリテーション治療を行うことが重要であると考える.
  • 宮本 詩子, 水溜 絵津子, 徳永 誠, 松永 薫, 中西 亮二
    原稿種別: 症例報告
    論文ID: 19038
    発行日: 2020/07/15
    [早期公開] 公開日: 2020/07/15
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    Paraparesis is a rare and serious complication following epidural anesthesia. Abnormal findings on magnetic resonance imaging (MRI) help with the diagnosis;however, diagnosis is challenging in the absence of MRI abnormalities.

    We present the case of a 26-year-old pregnant woman who received combined spinal-epidural anesthesia for cesarean delivery. The following day, she developed muscle weakness and sensory disturbances in the right lower extremity, which were attributable to the continuous epidural analgesia with ropivacaine that was used during the cesarean delivery. MRI revealed no spinal canal abnormalities;however, skeletal muscle MRI performed in the subacute phase revealed abnormally high signals on T2 and fat suppression T2-weighted imaging in the right paraspinal muscle below the L3 level. Nerve conduction studies revealed reduced amplitude of compound muscle action potentials and sensory nerve action potentials recorded in the lower extremities. After a 4-month period of rehabilitation, the patient could walk independently with a right ankle-foot orthosis and crutch;however, her right leg palsy and sensory disturbances persisted. Here, we report the clinical course of a patient who developed lumbosacral radiculopathy attributable to ropivacaine-induced neurotoxicity. Additionally, we present a review of the literature.

  • 小川 秀幸, 西尾 尚倫, 音部 雄平, 木村 鷹介, 大路 駿介, 山田 実
    原稿種別: 原著
    論文ID: 19005
    発行日: 2020/07/08
    [早期公開] 公開日: 2020/07/08
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    目的:回復期脳卒中患者におけるリハビリテーション治療満足度と関連する要因を検討すること.

    方法:研究デザインは横断研究とした.対象は回復期病棟にてリハビリテーション治療を実施した初回発症の脳卒中患者41名(50.5 ± 9.3歳,男性73.2%)とした.統計解析は,リハビリテーション治療満足度(CSSNS)を従属変数とし,満足度との関連が報告されている身体機能変化(SIAS-M gain),ADL改善度(M-FIM effectiveness),精神面(JSS-D),楽観性(LOT-R),サービス品質(SERVPERF)を独立変数とした重回帰分析(ステップワイズ法)を用いて検討した.

    結果:リハビリテーション治療満足度は55.5 ± 8.3点であった.重回帰分析にてリハビリテーション治療満足度に関連する要因として,M-FIM effectiveness(標準化偏回帰係数β=0.48,p<0.01)とSERVPERF(標準化偏回帰係数β=0.48,p<0.01)が抽出された.

    結論:回復期脳卒中患者において,ADL能力を改善させることと,リハビリテーション治療のサービス品質向上に取り組むことが満足度を高める可能性が示唆された.

  • 森口 八郎, 横内 葵, 石川 正恒, 山田 茂樹
    原稿種別: 原著
    論文ID: 19017
    発行日: 2020/07/08
    [早期公開] 公開日: 2020/07/08
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    目的:特発性正常圧水頭症(iNPH)のシャント術後リハビリテーション治療の有用性については検証されておらず,入院リハビリテーション治療期間と退院時の歩行機能や退院後の経過との関係性を後方視的に検討した.

    方法:iNPH患者81人(平均年齢76歳)を解析対象とし,入院リハビリテーション治療期間が2週間以上であった38人と2週間未満であった43人に分け,治療前後のTUG,10 m直線歩行試験,180°ターン,CS-30,MMSE,FABの改善度を比較した.退院後の経過は3段階で判定した.

    結果:2週間未満よりも2週間以上の入院リハビリテーション治療を行った患者のほうが,退院前のTUG,180°ターン,CS-30が有意に改善していた.特に,入院時TUG ≥13.5秒の場合には退院後の経過が良好であった.

    結論:iNPH患者は,自立歩行を目標として手術と術後リハビリテーション治療を計画的に行うことが重要である.

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