The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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巻頭言
特集『循環器病対策推進基本計画と心臓リハビリテーション診療』
  • 牧田 茂
    2025 年62 巻10 号 p. 967-972
    発行日: 2025/10/18
    公開日: 2025/12/18
    ジャーナル 認証あり

    健康寿命の延伸と医療及び介護に係る負担の軽減を図ることを目的として,循環器病対策基本法が制定された.この中で,継続的な心臓リハビリテーション医療の普及や推進が課題として掲げられている.心臓リハビリテーション医療の中で,とくにわが国で未だに遅れて問題となっているのが回復期・維持期である.高齢心疾患患者(とくに心不全患者)が増加している中で,フレイル予防や急性期退院後の入院関連機能障害予防・治療が今後さらに重要となってくることは確実と思われ,心臓リハビリテーション医療充実のための早急な対策が求められる.

  • 横井 宏佳
    2025 年62 巻10 号 p. 973-979
    発行日: 2025/10/18
    公開日: 2025/12/18
    ジャーナル 認証あり

    心臓リハビリテーションは急性心筋梗塞後の長期臥床から早期運動療法を経て,冠危険因子是正を含む包括的治療へと発展した.現在は虚血性心疾患を急性冠症候群(ACS)と慢性冠症候群(CCS)に分類し,ACSでは早期再灌流後の急性期リハビリテーションと外来継続が,CCSでは生活習慣改善・薬物治療・冠動脈CTによる早期診断とリスク管理が重視される.睡眠を含む生活習慣の是正や遠隔リハビリテーションの導入も提唱されており,循環器病対策基本法のもと,心臓リハビリテーションは虚血性心疾患の二次予防のみならず一次予防においても重要な役割を担う.

  • 井澤 英夫
    2025 年62 巻10 号 p. 980-985
    発行日: 2025/10/18
    公開日: 2025/12/18
    ジャーナル 認証あり

    心不全に対する心臓リハビリテーション診療は,急性期の離床プログラムから回復期の運動療法,疾病管理・患者教育,そして退院後は在宅や地域へとシームレスに心不全の治療,管理,支援に関して多職種で多方面から治療する包括的プログラムである.運動療法は持久運動と低強度レジスタンストレーニングを組み合わせて行う.包括的心臓リハビリテーション診療は左室駆出率(EF)に関係なくすべての心不全の入院抑制や生命予後改善効果があり,ガイドラインではクラスIで推奨されている.循環器病対策推進基本計画の下で心不全に対する包括的心臓リハビリテーション診療は重要視されており,また,地域において包括的ケアを進める上でのモデル的存在となっている.

  • 高橋 麻子
    2025 年62 巻10 号 p. 986-990
    発行日: 2025/10/18
    公開日: 2025/12/18
    ジャーナル 認証あり

    手術技術やデバイスなどが進歩し,サルコペニアやフレイル状態の高齢者に対する心臓血管外科手術適応も拡大している.しかし,低侵襲の手術は早期退院できる反面,術後リハビリテーション診療に十分な時間をかけられないという問題をはらんでいる.また,外来心臓リハビリテーション参加率も低い.切れ目のない継続的なリハビリテーション診療を提供するための整備,工夫が必要である.

  • 北原 慶次郎, 安 隆則
    2025 年62 巻10 号 p. 991-994
    発行日: 2025/10/18
    公開日: 2025/12/18
    ジャーナル 認証あり

    下肢閉塞性動脈疾患(LEAD)治療において包括的リハビリテーションの果たすべき役割は大きい.早期発見と早期治療,チームで取り組む体制作りが重要である.重症化予防プログラムとして,運動,完全禁煙,糖尿病患者に対する血糖管理,抗血小板薬・スタチンの処方,血圧管理が推奨されている.重症虚血肢には,血行再建術を行い救肢に努めるべきだが,中等症以下LEADでは監視下の歩行運動療法を導入し,在宅運動の継続に繋げていく.心臓リハビリテーション開始時には,血圧や心電図をモニタリングしながらの運動負荷試験(ガードナープロトコール)を行い,狭心症症状や心電図変化がないこと,不整脈の出現がないことを確認し,跛行出現時間と最大歩行時間を測定する.

  • 福本 義弘
    2025 年62 巻10 号 p. 995-1000
    発行日: 2025/10/18
    公開日: 2025/12/18
    ジャーナル 認証あり

    肺高血圧症(PH)は進行性の右心不全を来す疾患であり,肺動脈性肺高血圧症および慢性血栓塞栓性肺高血圧症では特異的治療が行われるが,多くの患者に運動制限が残存する.心臓リハビリテーションは運動療法・患者教育・生活指導・心理的支援を含む包括的介入であり,近年その有用性が注目されている.安定期PH患者においては,安全管理のもとでの低強度運動療法が運動耐容能や生活の質(QOL)の改善に寄与する.また,補完療法や予防接種指導,高地曝露時の対応,妊娠管理など多面的な支援が求められ,今後は右心機能に応じた個別運動処方の確立が課題である.

  • 宮澤 僚, 礒 良崇
    2025 年62 巻10 号 p. 1001-1006
    発行日: 2025/10/18
    公開日: 2025/12/18
    ジャーナル 認証あり

    高齢化に伴い心疾患患者の多くは入院や手術後に日常生活動作(ADL)が低下し従来型の集団運動療法を軸とする心臓リハビリテーションへの参加が困難となる.回復期リハビリテーション病棟での心臓リハビリテーションは身体機能を回復させ集団運動療法への参加を可能にすることが期待されるが,心大血管疾患リハビリテーション料の施設基準を満たす一部の病院でしか実施されていない.一方,多職種連携で提供される包括的な心臓リハビリテーションは身体機能や生活の質(QOL)を改善し外来心臓リハビリテーションへの円滑な移行を促し,フレイルなどの心疾患患者の急性期から回復期・維持期にわたるシームレスな連携を担う役割も期待されるため,より一層の普及が望まれる.

  • 上月 正博
    2025 年62 巻10 号 p. 1007-1013
    発行日: 2025/10/18
    公開日: 2025/12/18
    ジャーナル 認証あり

    心臓リハビリテーションの保険適用は,1988年に「心疾患理学療法料」として急性心筋梗塞を対象に,3カ月間に限って,1回335点が設定されたのが始まりである.その後,エビデンスの高まりと日本心臓リハビリテーション学会を中心とした活動で,心臓リハビリテーション診療報酬対象疾患の拡大,施設スペース・備品要件緩和が進むとともに,心臓リハビリテーション指導士による施設認定条件の強化も行われ,高品質の心臓リハビリテーションが全国で供給されている.日本心臓リハビリテーション学会診療報酬対策委員会委員長8年,副委員長5年を含む14年間,診療報酬に携わった経験を交えながら,心臓リハビリテーション診療報酬の変遷を概説する.

教育講座
連載 リハビリテーション医療の歴史と展望
原著
  • 車井 元樹, 河野 眞, 山口 佳小里, 石井 清志, 角田 亘
    2025 年62 巻10 号 p. 1036-1044
    発行日: 2025/10/18
    公開日: 2025/12/18
    [早期公開] 公開日: 2025/09/30
    ジャーナル 認証あり

    目的:学齢期の自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder:ASD)児における障害特性と不登校との関連を統計学的に明らかにする.

    方法:対象は国際医療福祉大学成田病院にてリハビリテーション処方があった学齢期のASD児158人とし,診療録記録からリハビリテーション初回診断時点での不登校の有無,年齢,性別,自閉症スクリーニング質問紙(Autism Screening Questionnaire:ASQ),ウェクスラー式知能検査第4版,日本版感覚プロファイル(Sensory Profile:SP),児童青年期版リーボヴィッツ社交不安尺度,家族機能の低下の有無,いじめの有無,在籍級に関する情報を抽出した.統計解析ではポアソン回帰分析にて,不登校の有無を従属変数,ASQとSPの下位カテゴリーを独立変数にしたCrudeモデルと年齢等で調整したAdjustedモデルで分析した.

    結果:Crudeモデルにおいて不登校と有意な関連を認めた項目(オッズ比,95%信頼区間)は感覚回避(1.03,1.01-1.05)であった.同様にAdjustedモデルにおいても感覚回避(1.03,1.00-1.05)が不登校と有意な関連を示した.

    結論:学齢期のASD児における障害特性と不登校との関連を分析した結果,感覚処理の障害が不登校と関連していることが示唆された.

  • 平戸 大悟, 鈴木 雄太, 平岡 風気, 浦辺 幸夫, 白川 泰山
    2025 年62 巻10 号 p. 1045-1054
    発行日: 2025/10/18
    公開日: 2025/12/18
    [早期公開] 公開日: 2025/09/30
    ジャーナル 認証あり

    目的:ロボット支援歩行練習後に歩行が自立に至った患者の臨床的特徴を,練習開始時の状態から確認すること.

    方法:対象はHybrid Assistive Limb®(Cyberdyne社製:以下,HAL)を使用した歩行練習を4週間完了した回復期脳卒中後患者とした.検査項目はFunctional Ambulation Categories(FAC),Stroke Impairment Assessment Set(SIAS),Fugl-Meyer Assessment(FMA)下肢運動項目,Berg Balance Scale(BBS),Functional Independence Measure(FIM),Hasegawa Dementia Scale-Revised(HDS-R)とした.対象のうち,FAC 3(監視)以上を自立群,FAC 2(軽介助)以下を介助群に分け,各項目で群間比較を行った.有意水準は5%とした.

    結果:自立群は10名,介助群は7名であり,年齢(自立群:73.2±13.8歳,介助群:83.6±6.1歳),SIAS合計点(自立群:49.4±12.2点,介助群:39.4±9.5点),BBS(自立群:23.4±12.5点,介助群:6.0±4.4点),FIM運動項目(自立群:33.8±13.5点,介助群:22.9±5.4点),FIM認知項目(自立群:25.6±6.6点,介助群:18.0±6.4点),HDS-R(自立群:23.7±7.8点,介助群:15.7±7.2点)にそれぞれ有意な群間差を認めた(p<0.05).さらに,SIAS下位項目では膝関節運動機能,下肢関節可動域,腹筋力,垂直性,非麻痺側大腿四頭筋筋力で自立群が介助群より高値を示した(p<0.05).

    結論:HAL治療後に歩行が自立できた患者は,練習開始前の年齢が低く,脳卒中後機能障害が軽度で,バランス能力,日常生活動作自立度,認知機能が高いことが示唆された.

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