The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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巻頭言
特集『リハビリテーションロボットの運用と今後の可能性』
原著
  • 白石 英樹, 唯根 弘
    原稿種別: 原著
    2023 年 60 巻 11 号 p. 974-982
    発行日: 2023/11/18
    公開日: 2024/01/17
    [早期公開] 公開日: 2023/11/17
    ジャーナル 認証あり

    はじめに:手の遠位横アーチにおいて,どれくらいの可動域があるのか,利き手や非利き手,性や年齢などによる違いがあるのか明確に示されていない.

    目的:本研究は,手の遠位横アーチの可動域において,利き手・非利き手,性,年齢での違いについて明らかにすることを目的とした.

    対象:20~60代の健常成人118名(男性52名,女性66名)の両手を対象とした.

    方法:ゴニオメーターを用いて,自動・他動で形成した遠位横アーチの各角度(母指成分,環指成分,小指成分)を測定し,これらの合計角度を遠位横アーチ角度とし,比較分析を行った.

    結果:自動遠位横アーチは利き手(135.4±10.3°)で有意に大きく,また他動遠位横アーチでも利き手(168.9±12.1°)で大きかった.性別比較においては,自動・他動ともに利き手・非利き手で有意な違いはなかった.しかし,環指成分では女性で有意に可動域が大きかった.年代別では,若年層に比べ60代で,利き手・非利き手ともに自動・他動での遠位横アーチは有意に低下した.また,他動の利き手や小指成分では,30~40代でも低下を示し,年齢が増すと低下する傾向が示された.

    まとめ:手の遠位横アーチへのリハビリテーションでは,利き手・非利き手や性,年齢を考慮した介入の必要性が示唆された.

  • 吉村 友宏, 神保 和正, 高浜 功丞, 安森 太一, 村山 尊司, 菊地 尚久
    原稿種別: 原著
    2023 年 60 巻 11 号 p. 983-991
    発行日: 2023/11/18
    公開日: 2024/01/17
    [早期公開] 公開日: 2023/11/17
    ジャーナル 認証あり

    目的:脊髄損傷者(SCI)は上下肢に加えて,体幹にも重度の機能障害を生じ,臨床場面では重要な視点となる.SCIに特化した体幹機能評価の確立は課題となっているが,近年では,SCIに国際的な体幹機能評価法としてClinical Trunk Control Test(CTCT)が使用され,良好な信頼性や妥当性が示されている.一方で,本邦において脊髄損傷者に特化した体幹機能評価法は数が乏しい.本研究は,日本語版CTCT(Japanese Version CTCT:CTCT-J)を作成し,その信頼性を検証することを目的としている.

    方法:CTCT-Jの作成にあたっては,ダブルバックトランスレーションの形式を用いた.評価者間信頼性は,CTCT-Jの合計点と各項目の級内相関係数(intraclass correlation coefficients:ICC)と各サブテストのweighted kappa係数を算出した.内的一貫性の検証は,CTCT-J合計点および各項目のCronbachのα係数を算出した.

    結果:対象は回復期,慢性期のSCIの12名.対象者の属性は,頚髄損傷9名,胸髄損傷3名.男性10名,女性2名.平均年齢:51.9±17.8歳.評価者間信頼性の検証について,ICCは,0.995~1.000(p<0.05)の結果を示した.各サブテストのweighted kappa係数は,0.756~1.000(p<0.05)となった.内的一貫性の検証では,すべての項目のCronbachのα係数は0.995(p<0.05)となった.

    結論:本研究では,ダブルバックトランスレーションによってCTCT-Jを作成し,その信頼性について検証した.結果として,良好な評価者間信頼性,内的一貫性が認められ,本邦における適応可能性が示された.

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