目的:回復期リハビリテーション後期にも歩行レベルの改善を認める症例の特徴を明らかにし,予測可能とすることを目的とした.
方法:回復期リハビリテーション病棟に入棟した192例(脳疾患,整形疾患)を対象とし,経時的にWalking LEVEL Scale(WaLS)を測定した.そして,後期にWaLSの改善を認める「delayed recovery群」(DR)と改善を認めない「non-delayed recovery群」(NDR)の2群の違いを特定するためにWaLSの経時的変化の比較や,各要因とWaLSスコアを用いたロジスティック回帰分析を行った.また,receiver operating characteristic曲線を用いて関連要因のカットオフ値,感度,特異度,尤度比を算出し,ベイズ推定によるDRの予測可能性について検討した.
結果:DRは脳疾患で22.1%,整形疾患で60.4%存在した.WaLSの経時的変化は,脳疾患DRではシグモイドカーブを示し,その他は対数曲線様のカーブを示した.ロジスティック回帰分析では脳疾患,整形疾患ともに入棟時WaLSスコアが有意な変数として選択され,同スコアのカットオフ値4以下でのDRに対する感度,特異度,陽性尤度比,陰性尤度比はそれぞれ,脳疾患で0.90,0.55,2.00,0.19,整形疾患で0.64,0.57,1.49,0.63であった.本研究におけるアウトカム頻度(DR割合)を事前確率とし,陰性尤度比を用いると,脳疾患DR事後確率は約5%と算出された.
結論:回復期リハビリテーション後期にも歩行レベルの改善を認めるDRの予測には,脳疾患では入棟時WaLSスコアの陰性尤度比を用いたベイズ推定が有用である.
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