The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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原著
兎下腿骨延長における高齢と幼若個体間での骨格筋適応の違い
高橋 光彦江西 哲也佐藤 紀東野 恒作高田 信二郎加藤 真介安井 夏生
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2013 年 50 巻 1 号 p. 43-47

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抄録

骨延長術において骨格筋は過剰伸張され,骨格筋はサルコメア数を増やすなどして適応する.本研究の目的は兎骨延長モデルを用いて,年齢による筋適応の違いを明らかにすることである.白色家兎,高齢5 羽(月齡10 ~ 43 m),幼若6 羽(手術時月齡3 ~ 4 m)を用い,下腿骨で1日1.4 mmで2 週間延長を行った.延長終了直後に両下肢を摘出,膝・足関節90 度にてホルマリン固定した.下腿の代表的5 筋について,筋腹長,筋線維長,サルコメア長を計測し,サルコメア数,筋内腱長を計算した.筋腹長は両群において非手術側と比べて全筋で増加を示した.筋内腱長において高齢兎は1 筋,幼若兎は3 筋で有意な増加を認めた.サルコメア長は両群で延長側が長い傾向があった.サルコメア数で有意増加を認めたのは高齢兎で3 筋,幼若兎では2 筋で,その増加量は前者が顕著であった.高齢ではサルコメア数増加が筋適応の主役で,幼若個体では筋内腱伸張寄与が多かった.

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© 2013 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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