2014 年 51 巻 7 号 p. 439-444
目的:回復期リハビリテーション(以下,リハ)病棟入院期間中の麻痺側運動機能の経時変化を,部位別・重症度別に分析した.方法:対象は当院回復期リハ病棟に入院し,FIT Programを実施したテント上に一側性病変を有する初発脳卒中片麻痺患者1903 名である.重篤な併存症,入院中の再発・急変,発症から当院入院までの期間が61 日以上の患者を除外した1634 名を対象とし,この中から,入院から8 週間以上入院した917 名を選択した.入院時から2 週毎にStroke Impairment Assessment Set(SIAS)の麻痺側運動機能5 項目を評価した.結果・結論:歩行やADL訓練を主体に1 日中活動的に過ごした脳卒中患者の麻痺側運動機能は,回復期リハ病棟入院時から8 週時にかけて有意に改善した.また,上肢項目よりも下肢項目,遠位部よりも近位部の運動麻痺が改善しやすく,その傾向は重度麻痺ほど顕著であった.