The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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特集『神経生理学的手法の応用―実践と可能性―』
機能的電気刺激を用いた脳可塑性を生かすニューロリハビリテーション
原 行弘
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2016 年 53 巻 6 号 p. 452-458

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抄録
 導出した筋活動電位に比例して電気刺激が行われる随意運動介助型機能的電気刺激(integrated volitional control electrical stimulator,以下IVES)は,容易な装着・操作に加えて筋肉スイッチといえる自律型制御を採用している.筋活動電位測定と電気刺激を同一筋肉で行える特徴があり,従来不可能であった可動域にまで関節機能を拡大できる.近赤外光脳機能測定装置を用いた検討では,IVES使用によって対側大脳感覚運動野の脳血流増加を認め,体性感覚入力増加と麻痺手の随意的運動促通の両方が相乗効果をもって,脳神経機構の再構築に寄与すると思われる.IVESのパワーアシストモード,外部入力モードは,脳卒中などで崩れた大脳半球間バランスを是正する作用があり,有用なニューロリハビリテーションの手段といえる.
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© 2016 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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