2017 年 54 巻 11 号 p. 854-859
変形性膝関節症では,保存治療としての運動療法の有用性が確立されており,また手術治療においても後療法としてのリハビリテーションは欠くことのできない治療手段である.また近年は,ロコモティブシンドロームを生じる原因疾患としても変形性膝関節症は注目されており,予防医学としてのリハビリテーションへの期待は大きい.リハビリテーション治療を行ううえで必要な評価項目は多岐にわたるが,決して膝関節の局所所見や狭義の関節機能に留まることなく,歩行にかかわる運動器としての側面ももれなく評価することが重要である.