2017 年 54 巻 2 号 p. 121-126
経腸栄養法は,生理的な投与方法であり,経口摂取についで有用な栄養管理法である.近年は150種類を超える経腸栄養剤・濃厚流動食が上市され,疾患別での組成もラインナップされるようになった.また,投与に際するデバイス類も充実し,以前よりも患者によって快適に,確実に投与が可能となった.さらに手技に関しても正しい理解が広まり,合併症の低減や回避が可能になってきた.しかし,リハビリテーションの世界では,経腸栄養法に対して間違った認識やリハビリテーション施行中には投与をしてはいけないのではないかという誤解が散見される.今回は,リハビリテーションの観点から経腸栄養法の正しい認識と手技を概説する.