2017 年 54 巻 3 号 p. 182-185
日本にもようやく反転型人工肩関節が2014年に導入され,これまでの肩疾患に対する人工肩関節の役割が大きく変わることになった.従来の解剖学的人工肩関節は,腱板が正常な変形性肩関節症に適応があるため,全国調査でも肩関節手術全体の1%未満にすぎなかった.反転型人工肩関節は腱板断裂性関節症によい適応があり,この人工関節の導入を待ち望んでいた医師,患者は数多い.2015年には全人工肩関節のうち解剖学的人工肩関節は25%であり,反転型人工肩関節が導入2年目ですでに75%を占めるようになった.解剖学的人工肩関節および反転型人工肩関節の特徴と術後のリハビリテーションについて要点を解説した.