2017 年 54 巻 7 号 p. 500-503
2016年度の診療報酬改定では,生活期における逓減制でのさらなる減算など,介護保険への移行がさらに促進された.医療保険での生活期リハビリテーションの提供がますます縮小されているが,都市部のクリニックにおける外来訪問リハビリテーションの取り組みについて患者数などの実績を交えて紹介する.外来リハビリテーションの役割として,①機能改善,②社会復帰・参加,③維持や予防が挙げられる.介護保険の訪問リハビリテーションにおいては,リハビリテーション会議の開催や医学的な視点がより必要とされる場面も多い.在宅医療の充実を図るには,医療保険のリハビリテーションと介護保険のリハビリテーションが双方向性に機能することが重要であり,生活期リハビリテーションに精通したリハビリテーション科専門医の担う役割も大きいと考える.