2017 年 54 巻 7 号 p. 508-511
地域の中規模病院から訪問診療を行っている経験を踏まえ,高齢者の訪問診療で必要な視点や在宅医療と入院医療の適切な連携について述べる.訪問診療では診断能力,かかりつけ医としての疾患管理能力,リハビリテーションの専門家としての能力など総合力を求められる.リハビリテーションの専門家としては動作障害や嚥下障害に現実的・具体的な対策を提示することが重要である.病院から訪問診療を行う利点として,入院中にも継続的に関与できること,生活期の患者の短期入院が可能なこと,医師の教育的効果があることが挙げられる.訪問診療は生活を診ることができるリハビリテーション科医が積極的にかかわるべき領域である.