2018 年 55 巻 12 号 p. 984-988
アロマセラピーは医療の補完代替療法の1つとして注目されており,認知症患者の知的機能の改善,がん患者の痛みやストレス,QOLなどの改善のほか,高齢者のバランス機能改善や転倒抑制効果など,従来の補完代替療法に留まらず,リハビリテーション医療との併用効果が期待できる.作業療法においてもアロマセラピーを併用することで,対象者の気分や情動の変化とともに,治療対象の作業行動や生活行為に好影響を与える可能性がある.しかしながら,作業療法とアロマセラピーの併用効果に関する科学的根拠は乏しく,今後のさらなる研究が求められる.