痙縮は上位運動ニューロン症候群の1つであり,歩行などの全身運動時に増悪し,異常歩行を呈する.足内反は発生頻度の高い痙縮による異常歩行であり,トゥクリアランス低下や立脚の不安定性などの歩行障害を引き起こす.痙縮筋に対するボツリヌス毒素注射は,安静時の痙縮を低下させるだけではなく,歩行障害の改善にも有効である.しかし,安静時の評価と歩行(動作)の評価結果が乖離している症例が存在するため,その適応と効果判定には歩行(動作)の評価が重要である.また,歩行(動作)の評価には,わずかな変化も捉えることができる三次元動作分析による定量的な評価が有用である.