2019 年 56 巻 7 号 p. 560-564
脊髄損傷に伴う下肢麻痺患者に対するリハビリテーション治療として,歩行支援ロボットが臨床応用されている.
ロボットスーツHAL®は,装着者の神経筋活動を感知できる生体電位センサをもつ外骨格型装着ロボットである.微弱な筋活動であっても,本センサにより感知し・関節運動補助ができる点が,他のロボットにない最大の特徴である.われわれは,本来の主動筋ではない残存筋をトリガーとして選択することで,麻痺患者の運動意図に沿った随意的な麻痺肢訓練(T-HAL法)を考案した.本稿では,慢性期脊髄損傷完全麻痺患者を対象に行った随意的歩行訓練について概説する.