痛みは誰もが日常生活の中で経験する現象である.痛みは,ヒトだけでなくあらゆる生物が,生存競争を勝ち抜いていくために欠かせないものであるが,一方で,性状や持続時間はさまざまで,個人差も大きく,特に慢性的に続いているもの(慢性疼痛)については防御的な意義は乏しくなっている面もあり,病態は複雑である.したがって,慢性疼痛の治療にあたっては神経メカニズムに基づいた分類(侵害受容性疼痛,神経障害性疼痛,痛覚変調性疼痛)や現象学的な要素も含めた病態分類(ICD-11における慢性1次性疼痛や慢性2次性疼痛)などを行い,適切な治療を行っていく必要がある.