2022 年 59 巻 4 号 p. 385-389
在宅の要介護高齢者の半数以上は摂食嚥下障害の疑いがあるとされ,超高齢社会の日本で「要介護高齢者の食事」は看過できない問題をはらむ.摂食嚥下関連医療資源は地域偏在しており,Information and Communication Techonology(ICT)を用いた遠隔診療は有用な解決策の1つである.しかし,遠隔診療のみでは医療資源偏在の解決は難しく,同時に地域医療のボトムアップを図る必要性がある.本稿では,遠隔診療による摂食嚥下リハビリテーション医療の実際とわれわれが取り組んでいる地域自立型摂食嚥下支援モデル構築を目的としたオンライン研修プログラム「TabeYou(食べよう)」を紹介する.