2024 年 61 巻 3 号 p. 197-202
近年,先進諸国は,人口の高齢化や医療技術の高度化を背景に医療費膨張の問題に直面している.これに伴い,保険償還の可否判断や価格設定などの医療政策上の意思決定において,有効性・安全性だけでなく費用対効果も勘案する必要性が高まっている.骨折リエゾンサービス(FLS)の費用効果分析は日本を含むさまざまな国で実施されており,費用対効果に優れる,あるいは,費用を節約できることが報告されている.わが国でも費用対効果評価の本格的導入が始まり,FLSを含む多様な介入について日本の公的医療の立場から費用効果分析を行う必要があり,当局・医療機関・大学・研究機関の協働が重要となる.