2024 年 61 巻 4 号 p. 233-237
遠隔リハビリテーションの有用性は近年広く認知されるようになっており,これまでに複数のメタアナリシスにおいて,神経疾患,呼吸循環器疾患,筋骨格系の疾患などに伴う機能障害に対して,従来のリハビリテーション治療と同等の効果があることが報告されている.また,COVID-19の感染拡大の局面では,感染制御のために接触を制限される特殊な環境下において患者への支援を継続する手段としても活用され,リハビリテーション治療の提供手段としての重要性が再認識されることとなった.一方,臨床で実際に活用が進む中で,対象,内容が限られることなど,遠隔リハビリテーションの普及における課題も明確化しており,今後のさらなる研究,開発の進展が期待される.