The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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腰部脊柱管狭窄症患者の腰痛,下肢症状の程度を質問紙票から定量化する回帰モデルの構築についての検討
石谷 勇人田村 俊世金谷 重彦
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ジャーナル 認証あり 早期公開

論文ID: 20034

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抄録

目的:日本整形外科学会腰痛評価質問票(JOABPEQ)は,質問25項目で構成され,腰痛疾患患者を多面的に評価できる.JOABPEQにある質問項目から患者自身が訴える主観的な疼痛症状を定量化できれば,実際に直面している日常の問題が把握でき,理学療法に役立てられる.本研究では,JOABPEQにより腰部脊柱管狭窄症患者の腰痛,下肢症状の程度,股関節可動域を定量化するための回帰モデルが構築できるかどうかを調査した.

方法:対象は,当院で手術を施行予定の腰部脊柱管狭窄症115例とした.検討項目は,手術直前のVisual Analogue Scale(VAS)による①腰痛,②下肢痛,③下肢のしびれの程度,股関節可動域(ROM)は④屈曲,⑤外旋,⑥内旋角度,JOABPEQとした.部分的最小二乗法(PLS)回帰分析を用いて,目的変数はVASの①,②,③と股関節ROMの④,⑤,⑥とし,説明変数はJOABPEQの質問25項目として回帰モデルの構築について検討した.PLSは,説明変数の部分的な情報だけのシンプルな回帰モデルを構築できるため,本課題に適応した.

結果:①,②,③,④は,JOABPEQから回帰モデルを構築した.⑤,⑥は,JOABPEQから回帰モデルを構築できなかった.

結論:本研究のPLS回帰分析の結果から,JOABPEQの質問項目より腰部脊柱管狭窄症患者の疼痛症状の程度を定量化できると考える.さらに,股関節ROMの屈曲角度においても,JOABPEQの質問項目から定量化の可能性が示唆された.本研究結果は,理学療法の治療計画を立てるうえで有効な手段と考える.

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© 2021 公益社団法人 日本リハビリテーション医学会

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