日本腎臓リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8253
Print ISSN : 2436-8180
透析中の運動療法(指導)の適応,禁忌,リスク管理
伊藤 修
著者情報
ジャーナル 認証あり

2022 年 1 巻 2 号 p. 162-170

詳細
抄録
透析患者の高齢化に伴い,透析患者の身体機能,身体活動,フレイルといった問題が注目さ れ,透析患者の運動療法の必要性も認識されてきた。また,透析患者の身体機能と生命予後の関 連や,身体活動量と生命予後の関連が近年明らかになっている。このような動向を受け,2022 年度の診療報酬改定で,「透析時運動指導等加算」として透析中の運動指導に係る評価が新設さ れた。透析患者の運動療法・指導では,その身体機能や身体活動量を評価したうえで介入を開始 し,6 カ月もしくは1 年ごとに定期的な評価を行い運動療法・指導を継続することがその効果を 高めるうえで重要である。また,透析患者は循環器疾患や糖尿病などの併存症が多いことから, 運動療法・指導の従事者は,運動療法の禁忌や中止基準,運動により誘発・悪化するリスクやそ の管理について熟知している必要がある。
著者関連情報
© 2022 一般社団法人日本腎臓リハビリテーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top