日本腎臓リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8253
Print ISSN : 2436-8180
特集号: 日本腎臓リハビリテーション学会誌
4 巻, 1 号
老年医学
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 中元秀友先生のご逝去を悼んで
    牧田 茂
    2025 年 4 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/01
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  • 日本腎臓リハビリテーション学会5 か年ビジョン
    山縣 邦弘
    2025 年 4 巻 1 号 p. 3-7
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/02
    ジャーナル 認証あり
  • 原田 昂, 海老原 覚
    2025 年 4 巻 1 号 p. 8-14
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/02
    ジャーナル 認証あり
    フレイル状態にある高齢者においては,感染症全般について,発症,重症化のリスクが高い。 とりわけ,尿路感染症,誤嚥性肺炎などのcommon disease は反復感染を起こし,高齢者の身体 機能と生命予後の両方を損なっていく。そのため,早期治療に加えて,発症原因の解決,予防に 努めることが重要となる。尿路感染症について言えば排尿障害,誤嚥性肺炎について言えば嚥下 障害の治療が必要であり,そのためには,医師のみならず看護師・療法士を含む多職種連携での 対応が重要となる。近年の診療報酬改定において,排尿障害については排尿自立支援加算,嚥下 障害については摂食嚥下機能回復体制加算というチーム医療を前提とした新たな予防の枠組みが 求められるようになり始めている。
  • 青栁 幸利
    2025 年 4 巻 1 号 p. 15-21
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/02
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     現下の中之条研究データによると,高齢者の健康全般と寿命・死亡率は,日常身体活動の量(1 日の歩数の年平均)と質(1 日の中強度[一般的に安静時代謝量の3 倍以上6 倍未満]活動時間 の年平均)の両方と関係がある。男性では,健康の度合いには1 日の中強度活動時間のほうが1 日の歩数よりも密接に関連するが,対照的に女性では,歩数のほうが中強度活動時間よりも関係 は緊密である。腎臓病の原因となる糖尿病,高血圧症,脂質異常症などの生活習慣病がないこと など,より良好な健康状態に関連する身体活動閾値(歩数・中強度活動時間)は,男性では8,000 歩・20 分/日,女性では7,000 歩・15 分/日である。生活習慣病全般を予防し,ひいては健康長 寿を実現するためには,1 日の合計で少なくとも15~20 分の適度な(時速約5 km 相当での)活 動と,少なくとも45~60 分の軽度な活動が有効である。
  • 白川 智也, 堀江 重郎
    2025 年 4 巻 1 号 p. 23-29
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/02
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     性ホルモンであるテストステロンは,中高年男性の健康維持に大きく関連するホルモンであ る。テストステロンは加齢やストレスで低下することが知られており,中高年男性の慢性疾患の 発症とも深くかかわりがある。超高齢社会であるわが国においては,近年Late onset hypogonadism( LOH)症候群や男性更年期障害に対する治療の必要性は高まっており,日本メンズヘルス 医学会およびテストステロン治療認定医を中心に専門的診療が行われている。2022 年に発刊され たLOH 症候群診療の手引きにより診断・治療法は確立されつつあるが,いまだに社会的な認知 度は低いのが現状である。今後は,Web 問診などを利用したビッグデータ解析により,わが国に おけるLOH 症候群の大規模実態調査が求められている。
  • 黒尾 誠
    2025 年 4 巻 1 号 p. 30-45
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/02
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    慢性腎臓病(CKD)とは,腎障害が3 カ月以上継続した状態と定義される。加齢に伴う腎機能 の低下が糖尿病や高血圧などの腎合併症をきたす生活習慣病によって加速されることで顕在化す る場合が多い。したがって,糖尿病や高血圧の治療がCKD の治療の基本となる。しかし,最近 の糖尿病や高血圧の治療薬の飛躍的な進歩にもかかわらず,高齢社会の進行とともにCKD 患者 の数は増え続け,わが国では成人の5 人に1 人が患う国民病となった。この事実は,老化現象の 一環として起きる腎機能低下の制御が喫緊の課題であることを示している。筆者らは,脊椎動物 に特異的な老化加速因子としてリンを同定した。本稿では,リン代謝の視点からCKD の病態生 理を理解することでみえてきたCKD の新たな治療戦略について議論する。なお,リンは生体内 ではリン酸として存在するので,特に断らない限り,本稿ではリンとリン酸を同義に使用する。
  • 阿部 雅紀
    2025 年 4 巻 1 号 p. 46-55
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/02
    ジャーナル 認証あり
    わが国ではすでに糖尿病性腎症患者に対して「糖尿病透析予防指導管理料」が算定されており, チーム医療の効果が評価されている。糖尿病以外のCKD に対しても効果は期待され,医師,看 護師,薬剤師,管理栄養士などによる包括的な対応が望まれていた。国内では2017 年に腎臓病療 養指導士制度がスタートするなど,チーム医療を積極的に行う環境が整ってきた。CKD チーム医 療を実施しているわが国の24 施設において,CKD ステージG3~G5 患者を対象にチーム医療の 効果が検証された。その結果,原疾患にかかわらずチーム医療により年間eGFR 低下速度の大幅 な改善が認められた。また,腎臓専門医に加え,4 職種以上で介入することでCKD 患者の全死亡 および腎代替療法導入の遅延に有効であった。全てのCKD 患者に対するチーム医療の有効性を 示すエビデンスが示され,2024 年6 月より「慢性腎臓病透析予防指導管理料」が新設された。
  • 田宮 創
    2025 年 4 巻 1 号 p. 56-65
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/02
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    糖尿病関連腎臓病(diabetic kidney disease:DKD)は人工透析導入の主要な原疾患である。 したがって,DKD の進行を抑え人工透析の導入を遅延させるために,食事・生活・運動指導を行 うことが重要であるものの,指導に参画するリハビリテーション関連職種は少ない。近年,リハ ビリテーション関連職種が透析予防指導に参画し,運動指導介入を行うことで,DKD 患者におけ る新規の心大血管疾患発症,人工透析導入,全死亡リスクを有意に抑制することが示された。今 後,透析予防指導に参画するリハビリテーション関連職種を増やしていくためには,こうした運 動指導の有効性や制度の理解を周知していく必要がある。また,身体活動量を増やすアプローチ を一律に行うのではなく,多様な患者像を見据えた個別の運動指導介入を行うことが求められる。
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