抄録
糖尿病関連腎臓病(diabetic kidney disease:DKD)は人工透析導入の主要な原疾患である。
したがって,DKD の進行を抑え人工透析の導入を遅延させるために,食事・生活・運動指導を行
うことが重要であるものの,指導に参画するリハビリテーション関連職種は少ない。近年,リハ
ビリテーション関連職種が透析予防指導に参画し,運動指導介入を行うことで,DKD 患者におけ
る新規の心大血管疾患発症,人工透析導入,全死亡リスクを有意に抑制することが示された。今
後,透析予防指導に参画するリハビリテーション関連職種を増やしていくためには,こうした運
動指導の有効性や制度の理解を周知していく必要がある。また,身体活動量を増やすアプローチ
を一律に行うのではなく,多様な患者像を見据えた個別の運動指導介入を行うことが求められる。