2025 年 14 巻 2 号 p. 77-81
症例は66歳女性.成分変更後のCOVID-19ワクチン(BNT162b2)接種後より発熱,咳嗽が持続するため受診した.胸部CTで両肺下葉と右肺上葉にconsolidationを認めた.気管支肺胞洗浄液の細胞分画でリンパ球増多を認めた.ステロイド投与によって症状や画像所見の改善を得たが,ステロイド減量中に再燃した.臨床経過も踏まえ,COVID-19ワクチンによる薬剤性肺障害と診断した.複数回のCOVID-19ワクチン接種後でも成分変更などによる薬剤性肺障害を発症することがあるため注意が必要である.