抄録
過去17年間に経験したサルコイドーシス患者122例の肺機能検査成績について解析した. 各項目の平均値は Stage II の Cdyn60/Cst を除き正常範囲内であり, Stage I 63例, Stage II 58例の2群における比較では, %VC, %DLCO, PaCO2が Stage II で有意に低下した. 各項目の異常率の比較では, 両群間に有意差はみられなかったが, Stage I の12例中6例 (50%), Stage II の18例中11例 (61%)に Cdyn の周波数依存性を認めた. PaO2と Cdyn 60/Cst の間に有意の相関がみられ, Stage I およびStage II におけるPaO2の低下には末梢気道障害の関与が推測された.