抄録
3例のオウム病家族発症例が発熱, 関節痛のため来院した. 胸部写真上は淡いスリガラス陰影を呈し, Gaスキャンではより広範囲の集積が認められた. 2例においてBALF成分の分析を行った結果, 急性期においてリンパ球の増加, 特に活性化ヘルパーT細胞の上昇があり, リンパ球の増加は1ヵ月後も認められた. 3例全員に呼吸機能検査を行ったところ, 背景にある呼吸機能障害にかかわらず, 経過中共通の変化があり, 末梢気道の閉塞性変化とRVの増加が認められた. 特に, RVの変化は症状消失後もかなりの間持続した. 以上よりオウム病急性期においては, Tリンパ球の動員と閉塞性障害を認めることが示唆された.