日本胸部疾患学会雑誌
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高度肥満に対する胃縮小術により閉塞型睡眠時無呼吸が著明に改善した1例
黒野 隆佐久間 哲也篠崎 俊秀河内山 資朗増山 茂国友 史雄川村 功栗山 喬之
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1990 年 28 巻 5 号 p. 767-772

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抄録
重症の肥満を有し, 夜間 polysomnography にて高度な閉塞型睡眠時無呼吸症候群を呈した症例に対し, 胃縮小術である垂直遮断胃形成術を施行, 肥満および睡眠時無呼吸の著明な改善を認めたので報告した. 症例は23歳男性. 11歳時よりすでに体重80kg台と肥満傾向, 13歳頃より110kgになり昼間の傾眠傾向, 鼾, 並びに夜間無呼吸を指摘されていた. 当科受診時, 身長170cm, 体重170kgと高度肥満, sleep study にて閉塞型睡眠時無呼吸症候群と診断された. 当院第2外科にて, 垂直遮断胃形成術による胃縮小術を施行. 術後約3ヵ月で体重110kgと減少したため, 再度 sleep study を施行したところ睡眠時無呼吸の著明な改善を認めた. 文献上では, 胃縮小術により体重が減少するのと同時に睡眠時無呼吸が改善した報告はまれであるが, このような症例の治療に胃縮小術は有効と考えられた.
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