日本胸部疾患学会雑誌
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高齢気管支喘息発作症例に対するβ2-受容体刺激性エロゾル吸入療法安全性の検討
池田 賢次月野 光博中島 明雄
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1992 年 30 巻 12 号 p. 2105-2111

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抄録
気管支喘息急性発作に対する塩酸プロカテロールエロゾル (PRC) 頻回吸入の臨床効果と安全性を検討した. 重積発作にて入院加療した成人慢性気管支喘息患者を55歳未満の若年者群 (平均39.7歳: n=11) と55歳以上の高齢者群 (平均63.6歳: n=9) の2群に区分し比較検討した. 全例ハイドロコーチゾン4mg/kg/4hの静脈内投与に加え, PRC30μgをジェット式ミニネブライザーにて1時間毎約15分間吸入. ホルター心電計を用い第1, 4, 7病日の不整脈, 平均心拍数, 平均血圧を記録した. 第1病日の平均PRC総吸入量は, 若年者群496.4±62.61μg, 高齢者群490.0±36.73μgであった (p=NS). PRC吸入による発作の迅速な改善に伴い, 平均心拍数, 血圧の低下を認めた (p<0.05). 約500μgと大量PRCを吸入したにも拘らず両群共に重篤な不整脈を認めなかった. PRC頻回吸入はステロイド投与と併用する限りに於いては, 年齢に拘らず急性発作に有効であり重篤な不整脈を認めず安全と結論した.
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