日本胸部疾患学会雑誌
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開胸肺生検を実施した, 膠原病患者にみられる肺病変 -その臨床病理学的検討-
河端 美則岩井 和郎杉田 博宣小山 明片桐 史郎高木 健三近藤 康博谷口 博之草島 建二大石 不二雄
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1992 年 30 巻 2 号 p. 293-301

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抄録
開胸肺生検を実施した膠原病にみられる肺病変の病理学的特徴, 画像上の特徴, ステロイド反応性を知るために臨床病理学的検討を実施した. 対象は10例で, 男4, 女6例, 平均年齢は55歳である. うち3例は肺病変が膠原病に先行した. 病理学的には Bronchiolitis obliterans organizing pneumonia の所見を示すものが6例, 慢性間質性肺炎が3例, 急性間質性肺炎が1例で, その他高率に広義の間質の炎症や細気管支の炎症をみた. BOOP所見を示す例は画像上は限局性スリガラス影または縮みを伴う下肺野中心の陰影で, 慢性間質性肺炎例では粒状網状影がみられ, その活動性例ではスリガラス影が重なっていた. BOOP所見の有る6例と活動性慢性間質性肺炎の2例にステロイドが使用され全例有効であった. 膠原病にみられる肺陰影の一部に対し開胸肺生検が診断の確定や治療方針の決定に有用であると判断された.
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