日本胸部疾患学会雑誌
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Recklinghausen 病に合併してみられた肺癌の1症例
糸井 和美柳原 一広大久保 憲一桑原 正喜
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1992 年 30 巻 2 号 p. 317-321

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抄録

Recklinghausen 病は常染色体優生遺伝の遺伝性疾患で, 悪性腫瘍を高頻度に合併する奇形症候群の一つと考えられているが, そのほとんどが神経線維肉腫であり, 肺癌との合併はきわめて希である. 我々は最近 Recklinghausen 病に合併した肺癌 (Poorly differentiated adenocarcinoma) の症例を経験した. 本症例はT4症例のため Neoadjuvant chemotherapy を施行した後手術を行った. 我々が検索しえた本邦における同様の報告は本症例を含めて11例であった. このうち年齢・性別の記載のあった9症例に付いては年齢が36歳より57歳で, 平均年齢は49.1歳であった. 性別ではすべて男性であり, 比較的低年齢層の男性に発症している. 組織型では腺癌・未分化癌が多くみられた.

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