症例は30歳, 女性, 29歳よりSLEにて prednisolone 5mg/日で follow up 中に発熱を主訴に来院. 胸部X線上右S5領域に陰影があり, TBLBで“lymphoid cell を中心とした間質性肺炎”の所見を得た. 全身検索の結果 Sjögren 症候群 (SjS) の合併が疑われたが, 確診には至らなかった. その後, 肺病変は prednisolone の一時的な増量により消失したが, 約3ヵ月後に施行した左右両側のBALより lymphocytosis の所見を得たため, subclinical にかっ diffuse に病変は存在しているものと考えられた. このことは, lymphoproliferative disorder に含まれる疾患群で, 病理像は同じでも, 病巣の拡がり方の違いによりX線上の見え方が変わり得る, ということを示していると思われた. 又, 自験例のように, 臓器症状が先行し乾燥症状が前景に出ないSjSを見落とさないために, 現在の診断基準を再考する必要があり, 色々と示唆に富む症例と考えられたので報告した.