1992 年 30 巻 4 号 p. 702-707
症例は53歳, 女性, 咳嗽, 息切れを主訴とし当院へ入院した. 胸部X線写真では両側下肺野の斑状線状陰影, 小輪状影及び両側下葉の容積減少を認めた. 入院時検査所見では血小板が減少し, 抗核抗体, 抗血小板抗体等の自己抗体が陽性であり, 血清免疫蛋白電気泳動ではIgMκ型のM蛋白を認めた. また開胸肺生検により得られた組織像は usual interstitial pneumonia に合致する所見であった. 血小板減少症, 良性M蛋白血症を伴う, 稀な間質性肺炎の一症例を報告する.