日本胸部疾患学会雑誌
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末梢血B細胞の著増を認めた肺サルコイドーシスの1例
重原 克則四十坊 典晴本田 泰人井上 祐二笹岡 彰一水谷 保幸浅川 三男鈴木 明
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1992 年 30 巻 4 号 p. 714-718

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抄録

症例は24歳, 男性. 胸部X線写真にて両側肺野の綿状陰影を指摘され入院. 末梢血リンパ球増多と免疫グロブリンの軽度低下を認め, リンパ球表面マーカーの分析と免疫グロブリン遺伝子の再構成の検討から, 抗原非依存期のB細胞の多クローン性の増加がみられた. 確定診断のため開胸肺生検を施行し, 肺サルコイドーシスと診断したが, 気管支肺胞洗浄液 (以下BALF) および生検肺組織の免疫組織化学染色からは肺病変局所のB細胞増加は認めなかった. 本症例は無治療にて胸部X線写真上の改善を認めたが, 末梢血Bリンパ球の増多と免疫グロブリンの軽度低下は依然持続している. サ症に伴う免疫異常としては特異なものと考えられた.

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