日本胸部疾患学会雑誌
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びまん性汎細気管支炎における糖鎖抗原腫瘍マーカーとエリスロマイシン少量長期療法による変化
迎 寛小森 清和森川 伸雄崎戸 修織田 裕繁千住 玲子福島 喜代康平谷 一人門田 淳一原 耕平
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1992 年 30 巻 5 号 p. 802-807

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抄録
びまん性汎細気管支炎 (DPB) 患者26例について, エリスロマイシン (EM) 少量長期投与 (600mg, 3~30ヵ月) を行い, その臨床効果を検討した. 呼吸機能上特に%肺活量や動脈血酸素分圧に有意な改善がみられた. 末梢血リンパ球に関しては, CD4, CD8, CD4/CD8比は治療前後で特に有意な変化は認めなかった. DPBでは血清糖鎖抗原腫瘍マーカーが有意に高値であることが知られている. 今回DPB症例で19例中13例 (68.4%) にSLXが, また17例中9例 (52.9%) にCA19-9が高頻度に陽性を示したが, EMによる治療後には陽性率がSLXは19例中6例 (31.6%), CA19-9は17例中4例 (23.4%) と有意に低下し, また平均値もEM投与前でSLX 54.9±26.9U/ml, CA19-9 70.5±77.4U/mlであったものが, 治療後にはSLX 39.5±22.1U/ml, CA19-9 28.8±37.4U/mlと有意に低下した.
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