日本胸部疾患学会雑誌
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ステロイド吸入療法施行中の気管支喘息患者におけるβ2刺激剤エロゾル吸入
石原 享介坂本 廣子冨岡 洋海長谷川 幹岡崎 美樹片上 信之岩崎 博信梅田 文一中井 準
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1992 年 30 巻 5 号 p. 808-814

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抄録
プロピオン酸ベクロメサゾン (BDP) とβ2刺激剤エロゾルの定期吸入により1ヵ月間全身的ステロイドの追加投与, BDPの増量を必要としなかった慢性気管支喘息患者においてβ2エロゾル定期吸入の継続が必要かいなかを検討した. 対象は20例で, これを2群にわけ2週間の経過観察後,β2刺激剤エロゾルの定期吸入期と, 頓用吸入期にそれぞれ前後4週間クロスオーバーして検討した. 研究期間中はBDP吸入量の変更は行わなかった. 発作点数, 日常点数, 睡眠点数, 朝, 夜のピークフロー値は観察期間から定期吸入期と頓用吸入期において有意の変化は認められなかった. 一方β2刺激剤エロゾル総吸入回数は頓用吸入期において定期吸入期より有意に減少した. BDPおよびβ2刺激剤エロゾル定期吸入中の慢性気管支喘息患者は同等のコントロールを得るにはβ2刺激剤エロゾル定期吸入継続を必ずしも必要としなかった. 頓用吸入回数は睡眠点数と朝, 夜のピークフロー値の差に相関した.
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